ディスプレイの新規作成,インラインに入力した数式のディスプレイへの変換方法など,数式を ディスプレイに入力する方法については91ページで解説しました. ここでは改めてディスプレイ の作成方法を簡単に紹介し,数式番号,ラベル,キーの作成方法などについて説明します.
◮ディスプレイを作成する
• 数式オブジェクトツールバーからディスプレイボタン をクリックします. または
• 挿入メニューからディスプレイを選択します. または
• ctrl + dとします.
プログラムは新たな行の中央に数式を入力可能なディスプレイに挿入し,カーソル合わせます.
◮インラインに入力した数式をディスプレイへ移動する 1. 目的の数式を選択します.
2. ディスプレイを作成します.
複数のディスプレイを作成して位置揃えする場合は,個別にディスプレイを作成せずに,複 数行のディスプレイを利用します. 2つのディスプレイの例を次に示します.
◮1行のディスプレイをインラインの数式にする.
• ディスプレイの左側にカーソルを配置してdeleteキーを押します. または
• ディスプレイの右側にカーソルを配置してbackspaceキーを押します
複数のディスプレイを作成して位置揃えする場合は,個別にディスプレイを作成せずに,複数行 のディスプレイを利用します. 2つのディスプレイの例を次に示します.
x=a+ cosθ−b y=b+ sinθ
上記の数式を等号=を基準にして,位置揃えする場合は複数行のディスプレイを利用します. x=a+ cosθ−b
y=b+ sinθ
◮複数行のディスプレイを作成する 1. ディスプレイを作成します.
2. 最初の数式を入力し,最後にenterキーを押します.
120 第5章 数式の入力
3. 2行目の数式を入力します.
プログラムは最初に表れる2項関係の記号(=,<, etc.) で各行を位置合わせします. 4. 各行に数式を入力したら,右矢印キーを押してディスプレイを離れます.
ディスプレイに入力した数式の式番号を編集したり,引用に利用する式ラベルの作成方法につい て説明します.複数行のディスプレイに数式を入力した時の自動位置揃えを編集する方法もありま す. また,ディスプレイにキーやユニークな名前を付けることで,オンライン文書のハイパーリン クを作成できます.
SWPとSW の場合,ディスプレイの自動番号やカスタム番号の編集が可能で,しかも,ディス プレイに縦方向のスペースを追加できます. もちろん,キーを付ければタイプセット用のクロスリ ファンスを簡単に作成できます.
5.6.1 自動式番号の設定
SWPとSW には,文書のディスプレイに入力した式に自動的に連番を付ける機能が用意され ています. デフォルト設定では,自動連番の機能はオフになっています. 自動連番の機能のオンと オフは個別のディスプレイ環境毎に行なう必要があります. SNB には自動連番の機能はありま せん.
次に示すように,操作画面上で自動連番は#記号の付いた灰色のボックスで表示されます. a2+b2=c2
この灰色のボックスによって印刷される内容は普通の印刷とタイプセッティング印刷によって異 なります. 詳細は第9章“文書のフォーマット”を参照してください. タイプセッティング印刷の 場合,プログラムは# 記号の代りに式番号を印刷します. 印刷される番号のフォーマットはタイ プセッティング仕様の情報によって異なります. AMS パッケージを利用するタイプセッティング 仕様の場合には,番号をカッコで囲んだり,注釈を付けることのできるものもあります. 一方,普通 の印刷の場合,式番号は印刷さずに#記号が印刷されます.
◮ディスプレイの自動連番機能を有効にする
1. SWPとSW の場合,ツールメニューからユーザ設定を選択します. 2. 数式タブを表示します.
3. 新 し い 数 式 に 自 動 的 に 連 番 を 付 け る オ プ シ ョ ン を チ ェ ッ ク し てOKボ タ ン を ク リ ッ ク し ます.
◮個々のディスプレイで自動連番の機能を有効にする 1. 目的のディスプレイにカーソルを配置します. 2. tabキーを押します.
プログラムは自動連番を示す#記号付きの灰色ボックスを式の右側に表示します. または
1. 目的の数式を選択します.
2. プロパティを表示します.
3. ディスプレイプロパティダイアログボックスの式番号の項目で自動を選択します.
複数行のディスプレイ環境の場合,行番号を選択し,個別に自動のオプションを選択します.
4. OKボタンをクリックします.
◮ディスプレイの番号を削除する
1. 目的のディスプレイを選択し,プロパティを表示します.
2. ディスプレイプロパティダイアログボックスの式番号の項目で無しを選択します. 複数行のディスプレイの場合,行番号を選択し,個別に無しのオプションを選択します.
3. OKボタンをクリックします.
5.6.2 カスタム式番号とラベルの作成
自動式番号の代りにカスタム式番号を付けたり,画面表示用ラベルを作成する方法について説明 します. SWPとSWで自動式番号の機能がオンになっていても,その代わりにカスタム番号とラ ベルを入力できます.
カスタム番号やラベルを入力すると,次に示すように操作画面上の灰色ボックスにその内容が表 示されます.
a2+b2=c2
灰色のボックスにより印刷される内容は,普通の印刷とタイプセッティング印刷によって異なり ます. タイプセッティング印刷すると,式番号にはカスタム番号やラベルが印刷されます. 普通の 印刷の場合は,カスタム番号やラベルは印刷オプションの設定にしたがって出力されます. 詳細は 第8章“プレビューと印刷”を参照してください.
◮ディスプレイにカスタム番号やラベルを付ける 1. 目的のディスプレイを選択します.
2. 複数行のディスプレイの場合は目的の行を選択します.
3. ディスプレイプロパティダイアログボックスの番号の項目でカスタムをチェックします. 4. 入力ボックスに目的の番号やラベルを入力します.
5. SWPとSW でAMSフォーマットを利用しない場合は,注釈を使わないというオプショ ンを選択します.
6. 複数行のディスプレイの場合,必要に応じて各行でステップ2–5を繰り返します.
7. OKボタンをクリックします.
5.6.3 複数行のディスプレイで英文字を子番号に利用する
SWP とSW で文書をタイプセット出力する時,複数行のディスプレイの各行に個別に番号を 付けることができます. 対象とするディスプレイに通常の式番号を与え,各行の式に連続した子番 号を付けます. 各行の間に文字が入力されていても子連番を付けることができます. この機能は SNB にはありません.
122 第5章 数式の入力
操作画面上で連番は#記号の付いた灰色ボックスで表示されます. この灰色のボックスが印刷 される内容は,普通の印刷とタイプセッティング印刷によって異なります. タイプセッティング印 刷すると,式番号がディスプレイの数式の右側に印刷されます. 子番号はディスプレイ内での順番 を示す番号です. 例えば, 3行のディスプレイであれば, 4a, 4b, 4cという子番号が付きます. 普通 の印刷の場合は,このような番号ではなく, #記号がそのまま出力されます.
◮複数行のディスプレイで子連番を付ける
1. ディスプレイを選択し,プロパティを表示します. 2. 上級ボタンをクリックします.
3. 子番号を付けるオプションをチェックします.
4. 前のディスプレイの子番号と連続させる場合は,連続した子番号のオプションをチェックし ます.
5. 各式に子番号を付ける場合は,オプションの自動を選択します.
6. OKボタンをクリックします.
5.6.4 複数行ディスプレイの位置揃え
個別のディスプレイを複数作成するよりも,一つのディスプレイの中で改行をした方が,美しく 数式を表示できます. プログラムは各行の最初に表れる二項関係の記号を使って位置合わせしま す. これはLATEXの標準的な機能によるものです. しかし,場合によってはユーザが目的とする記 号で位置合わせしたいという場合もあります. また,各行を中央揃えしたり,複数行のディスプレ イに表示した数式を一つの数式として表示しなければならない事もあります.
複数行のディスプレイの印刷スタイルはプログラムによって自動調整されますが,SWPとSW では,縦方向にスペースを追加できます. 縦方向のスペースは普通の印刷や操作画面上には反映さ れませんが,タイプセッティングすると目的のスペースが正しく追加されます.
◮目的の文字で各行を位置揃えする
1. 目的の文字の左隣りにカーソルを配置します. 2. 編集メニューから位置揃えを選択します.
◮各行を中央揃えする
1.ディスプレイを選択し,プロパティを表示します. 2.上級ボタンをクリックします.
3.整列オプションをチェックします. 4. 中央揃えを選択します.
5. OKボタンをクリックします.
◮改行した長い数式の表示方法
1. ディスプレイを選択し,プロパティを表示します. 2. 上級ボタンをクリックします.
3. 整列オプションをチェックします.